Snow Leopard Server
では、何千もの同時接続を処理するために設計された新しいオープンスタン
ダードベースのエンジンにより、メールサーバのパフォーマンス、信頼性、スケーラビリティが飛躍的
に向上しています。さらに、メールサーバにはプッシュメール、サーバ側メール・ルール、休暇メッセー
ジといった機能が追加されています。
モバイルアクセスサーバ
Snow Leopard Server
には、モバイルユーザが不便な
VPN
接続を使用せずに、プライベートサー
ビスに安全にアクセスできるようにする「モバイルアクセスサーバ」が含まれています。プライベートメー
ル、
Web
、
iCal
、アドレスブック・サービスにユーザがアクセスできるかどうかを指定します。ユーザ
はインターネット上でリバースプロキシの「モバイルアクセスサーバ」に接続します。これが、プライベー
トネットワーク上で
Mac OS X Server
が提供するサービスに代わって、安全な接続を確立します。
小規模企業の
Snow Leopard Server
小規模な企業では、
Mac OS X Server
を使用している
1
つのサーバで、コンピュータユーザが必要と
するすべてのサービスを提供できます。サーバとユーザのコンピュータはすべて、
DSL
または有線のイ
ンターネット接続を共有するプライベートなローカルネットワークに接続されます。インターネット接続
は、
AirMac Extreme
ベースステーション(
802.11n
)または
Time Capsule
を使用して、インター
ネット・サービス・プロバイダ(
ISP
)やコンピュータ販売業者によるルーター、またはサーバを経由し
て共有することができます。これ以降の数ページでは、これらの構成について具体的に説明します。
AirMac Extreme
を使用した
1
台のサーバ
次の図は、
Mac OS X Server
とユーザのコンピュータと
iPhone
が、
AirMac Extreme
ベースステー
ション(
802.11n
)を使用してインターネット接続を共有している状態を示しています。
18
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
ベースステーションは
DSL
モデムまたはケーブルモデム経由でインターネットに接続し、ローカルネッ
トワークに接続してインターネット接続をサーバおよびユーザのコンピュータと共有します。サーバと
ユーザのコンピュータの一部はローカルネットワークに有線接続しており、その他のユーザのコンピュー
タはベースステーションを使用してローカルネットワークに無線接続しています。サーバとユーザのコ
ンピュータは、そのネットワークアドレスをベースステーションの
DHCP
サーバから取得します。また、
DNS
名前サービスを
ISP
から取得します。
さらにベースステーションは、ローカルネットワークの外から来る通信をブロックすることで、サーバと
すべてのユーザのコンピュータをインターネット上の悪意のある攻撃から保護します。ただしベースス
テーションでは、一部のサービスは通信を受信できるように設定されています。たとえば、ベースステー
ションは、サーバのメールサービスがローカルネットワークの外からのメールを受信することを許可して
います。
ローカルネットワーク上の有線および無線のすべてのコンピュータが
Mac OS X Server
からサービス
を取得します。
19
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
サーバは、ユーザとグループのアカウント、共有フォルダ、サーバベースのアドレスブック、共有カレン
ダー、インスタントメッセージ、および、ユーザポータルや
Web
カレンダーやブログを含む
Wiki
を提
供します。
ISP
は組織全員分のメールアドレスは提供しないため、サーバがメールアドレスとメールサー
ビスを提供します。
Mac OS X
Server
DSL
または
ケーブルモデム
インターネット
AirMac
Extreme
ISP
ローカルネットワーク
各
Mac OS X
コンピュータ
iPhone
20
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
Mac OS X Snow Leopard
または
Leopard
を使用するユーザは、
「
Time Machine
」を使用して、サー
バに接続されている外部のハード・ドライブ(図に表示なし)に自分の
Mac
のバックアップを保存します。
ポータブルコンピュータや自宅のコンピュータが、インターネットを介してサーバの
VPN
に接続するよ
うに設定されている場合があります。この場合は、在宅勤務中や出張中に、サーバがローカルネットワー
クで提供するすべてのサービスへの安全なリモートアクセスが可能となります。
iPhone
ユーザはローミ
ング中に
wiki
やブログをチェックします。
ネットワークルーターを使用した
1
台のサーバ
次の図は、
Mac OS X Server
とユーザのコンピュータと
iPhone
が、
ISP
のワイヤレスルーターを使
用してインターネット接続を共有している状態を示しています。
この構成では、前述の構成の
AirMac Express
ベースステーションの代わりにワイヤレスルーターが
あります。ワイヤレスルーターには、インターネットに接続する内蔵の
DSL
かケーブルモデムが含まれ
ています。ルーターはローカルネットワークに有線または無線接続されており、サーバとユーザのコン
ピュータと
iPhone
にインターネットアクセスを提供しています。ルーターには
DHCP
サーバが含まれ
ており、これがサーバとユーザのコンピュータと
iPhone
にネットワークアドレスを提供します。
この構成では、サーバのファイアウォールが、ローカルネットワークの外からの悪意のある攻撃をブロッ
クします。ファイアウォールは、一部のサービスが通信を受信できるように設定されています。たとえば、
iChat
サービスはインターネット経由で「
トーク」からのインスタントメッセージの参加依頼を
受信することができます。
21
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
Mac OS X Server
はローカルネットワーク上の有線および無線のすべてのコンピュータにサービスを
提供します。サーバは、ユーザとグループのアカウント、共有フォルダ、サーバベースのアドレスブッ
ク、共有カレンダー、インスタントメッセージ、メール、および、ユーザポータルや
Web
カレンダーや
ブログを含む
Wiki
を提供します。
Mac OS X Snow Leopard
または
Leopard
を使用するユーザは、
Time Machine
バックアップのためにサーバ上の記憶領域を使用します。
Mac OS X
Server
インターネット
ISP
ローカルネットワーク
Wi-Fi
ルーター
各
Mac OS X
コンピュータ
iPhone
22
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
ローカルネットワークから離れている間も、モバイルデバイスを持つユーザは、図書館、カフェ、空港
などの
Wi-Fi
ホットスポットを使用してメール、
Web
カレンダー、
Wiki
、ブログをチェックすることが
できます。
インターネットゲートウェイとしての
1
台のサーバ
次の図は、
Mac OS X Server
をインターネットゲートウェイとして構成し、ローカルネットワーク上のコ
ンピュータやモバイルデバイスにインターネットアクセスを提供する方法を示しています。
サーバのプライマリ
Ethernet
ポートは
DSL
モデムまたはケーブルモデム経由でインターネットに接続
し、その他の
Ethernet
ポートはローカルネットワークに接続しています。サーバの
DHCP
サービスは、
ユーザのコンピュータとモバイルデバイスにネットワークアドレスを提供します。つまりこの構成のサー
バは、前述の
2
つの構成における
AirMac Express
ベースステーションや汎用ルーターと同じ働きを
します。
サーバのファイアウォールは、インターネットからの悪意のある攻撃をブロックするように構成されてい
ますが、ローカルネットワークの外から来るメールや
iChat
の参加依頼は受信できるようになっていま
す。メールや「
iChat
」のほかに、サーバは、ユーザとグループのアカウント、共有フォルダ、サーバ
ベースのアドレスブック、共有カレンダー、および、ユーザポータルや
Web
カレンダーやブログを含
む
Wiki
も提供します。
23
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
Mac OS X Snow Leopard
または
Leopard
を使用するユーザは、
Time Machine
バックアップの
ためにサーバ上の記憶領域を使用します。
Mac OS X
Server
インターネット
AirMac
Extreme
ロ
ー
カ
ル
ネ
ット
ワ
ー
ク
DSL
または
ケーブル
モデム
ISP
各
Mac OS X
コンピュータ
iPhone
24
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介