Snow Leopard Server
は
64
ビッ
トのオペレーティングシステムを搭載し、理論上最大
16TB
の
RAM
をサポートしています。
RAM
の
容量が大きくなれば、サーバアプリケーションの使用可能な物理メモリの量が増えるので、実行速度も
上がります。さらに、
64
ビットのオペレーティングシステムでは、サーバが使用可能な同時実行システ
ムプロセス数、スレッド数、ネットワークの同時接続数の合計が大幅に増えています。
Snow Leopard Server
は、現在の
Xserve
および
Mac Pro
システムにおいて
64
ビットテクノロ
ジーをサポートする一方で、その他のシステムでは
32
ビットのサポートも維持しています。
Mac OS X
Server
は、すべてのシステムにおいて、
64
ビットアプリケーションと
32
ビットアプリケーションを同時
に実行し、大容量
RAM
に対応し、
64
ビットファイルシステム、数学ライブラリ、イメージライブラリに
アクセスすることができます。
9
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
OpenCL
開発者は
OpenCL
(
Open Computing Language
)によって、
GPU
(グラフィックス・プロセッシ
ング・ユニット)内で膨大なギガフロップス単位のコンピューティングパワーを効率的に活用できます。
GPU
の処理速度が
1
秒あたり兆単位のオペレーションに迫るようになり、単なる描画をはるかに超え
た機能が実現されています。
Mac OS X Server
は、ほかのサーバ・オペレーティング・システムと異
なり、グラフィックスレンダリング、
Podcast
のエフェクトとトランジション、
Mac OS X Server
そのも
ののユーザインターフェイスの表示に
GPU
を使用するように特別に設計されています。
OpenCL
によっ
て開発者は、ゲノミクス、ビデオエンコーディング、シグナルプロセス、物理モデルや金融モデルのシミュ
レーションなどの高性能コンピューティングアプリケーションで
GPU
の能力を生かすことができます。
Podcast
プロデューサー
2
「
Podcast
プロデューサー
2
」は、
iTunes
、
iPod
、
iPhone
、
Apple TV
で再生できるように、コンテ
ンツを収録し、エンコーディングし、高品質の
Podcast
を公開するプロセスを簡略化します。ユーザ
は、講義、トレーニング、プレゼンテーション、またはその他のオーディオやビデオのプロジェクトの収
録を制御します。次に「
Podcast
プロデューサー」が、ユーザのワークフローに基づいて、収録内容
を自動的にエンコードして公開します。
Snow Leopard
と
Snow Leopard Server
を使用することで、
「
Podcast
プロデューサー
2
」では使いやすいグラフィカル・ワークフロー・エディタ、デュアルビデ
オ収録、
Podcast
ライブラリ、収録を制御するための
Web
ベースのアプリケーションが使用可能になり、
さらにオプションのフェイルオーバー構成によって高可用性を得ることもできます。
10
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
11
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
グラフィカル・ワークフロー・エディタである「
Podcast Composer
」を使用すると、ビデオベースの
Podcast
プロデューサーのワークフローを順を追って定義することができます。イントロ、タイトル、終
了ビデオを視覚的に選択し、ビデオ間のさまざまなトランジションやエフェクトを指定し、リアルタイム
にタイトルやエフェクトを表示することができます。
Podcast
のコンテンツにはウォーターマークやオー
バーレイを追加できます。ワークフローでは、エンコード形式と、完成した
Podcast
のターゲット配信
(
Wiki
、
iTunes U
、または
Podcast
ライブラリを経由)も指定できます。
「
Podcast
プロデューサー
2
」では、
Mac
上の「
Podcast
キャプチャ」アプリケーションを使用したり、
Mac
、
iPhone
、または
Windows
コンピュータ上の新しい「
Podcast
キャプチャ」
Web
アプリケーショ
ンを使用して、デュアル・ビデオ・ソースを収録することができます。アップルから複数のピクチャ・イン・
ピクチャ・テンプレートが提供されています。またはユーザが独自に作成することもできます。
「
Podcast
ライブラリ」を使用すると、
Podcast
をサーバに保存して、
RSS
フィードと
Atom
フィード
を介してビューアに配信できます。たとえば、
Podcast
をサーバから
iTunes U
に直接フィードするこ
ともできます。
Atom
フィードでは、
iPod
、
Apple TV
、およびオーディオのみなど、複数の
Podcast
バー
ジョンの配信を簡略化できます。各
Atom
フィードには複数のバージョンを格納でき、ビューアの再生
デバイスにより最適なバージョンが自動的に選択されます。
「
Podcast
プロデューサー
2
」と依存しているサービス(
Xgrid
など)は、フェイルオーバーサーバを
設定して
Xsan
ファイルシステムを使用することで、高い可用性を確保できるように設定できます。
Wiki
サーバ
2
Mac OS X Server
には
Web
サービスが含まれており、これを使用すると、共有の
Wiki Web
サイト
による情報の作成と配信が簡単になります。ユーザは、自分の
Web
ブラウザで簡単に
Wiki
コンテン
ツの表示、検索、編集を実行できます。マークアップコードや特殊な構文の知識がなくても、無理なく
Wiki
コンテンツの追加、削除、編集、および書式設定を実行できます。
2
、
3
回クリックするだけで、ファ
イルやイメージの添付、
Podcast
への公開、キーワードの割り当て、ほかの
Wiki
ページまたは
Web
サイトへのリンク作成を実行できます。
12
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
Snow Leopard Server
では、各
Wiki
ユーザに「マイページ」と呼ばれる便利な
Wiki
ポータルが
提供され、これによって
Wiki
やブログの表示と作成、
Web
カレンダーの使用、
Wiki
のアップデート
の追跡、
Web
メールへのアクセスなどを行えます。
Mac OS X Server
のシングルサインオン認証では、ユーザは名前とパスワードを
1
回入力するだけで
すべてのプライベート
Wiki
にアクセスできます。パブリック
Wiki
やプライベート
Wiki
を作成するのに
管理者パスワードは必要なく、プライベート
Wiki
へのアクセスは作成者が制御します。
13
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
ユーザは複数の
Wiki
にまたがって検索を実行できます。また、
Wiki
の添付ファイルについては、そ
れを開くためのアプリケーションがない場合でも、ブラウザウインドウで「クイックルック」を使用して
プレビューを表示できます。
14
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
Snow Leopard Server
には、
iPhone
用に最適化された新しい
Wiki
とブログのテンプレートも用意
されています。
Wiki
やブログページの表示機能の向上に加えて、
iPhone
ユーザは
Wiki
ページの変
更を追跡したり、コメントやタグを追加したりできるようになりました。
個人やグループの
Web
カレンダーにイベントを作成すると、ほかのユーザに参加を依頼したり、予定
参加者を見つけて空き時間状況を表示したりできるようになります。
Snow Leopard Server
では、ユー
ザごとやグループごとに複数のカレンダーを作成することもできます。
15
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
iCal
サーバ
2
「
iCal
サーバ」を使用すると、ワークグループ、小規模企業、大規模な組織でのカレンダーの共有、会
議の予約、イベントの予定が容易になります。社員による相互のスケジュールの確認、会議の提案また
は受諾、会議室の予約、プロジェクタの使用予約などが可能になります。「
iCal
サーバ」で、会議の議
題や必要な作業のリストと共に会議の参加依頼が送信され、その返信が集計されます。
16
第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
Snow Leopard Server
により、「
iCal
サーバ」以外のユーザにイベントへの参加依頼の電子メール
を送信するプッシュ通知機能や、
iPhone
の「カレンダー」との統合、および、ユーザが
Web
ブラウ
ザを使用して任意のコンピュータから自分のカレンダーにアクセスできるようにする
Web
アプリケーショ
ンが追加されます。また「
iCal
サーバ」は、
Mac OS X
の「
iCal
」アプリケーションや標準
CalDAV
プロトコルをサポートする他社製カレンダーアプリケーションとも統合されています。
アドレスブックサーバ
Snow Leopard Server
には「アドレスブックサーバ」が導入されています。これを使用すると、
LDAP
に関連するスキーマの制限やセキュリティの問題を考慮せずに、複数のコンピュータにまたがる
アドレスブックから連絡先情報を検索することができます。
Snow Leopard
搭載の
Mac
で「アドレスブック」アプリケーションを使用することで、ユーザはサー
バベースのアドレスブックで連絡先情報を表示したり追加したりできます。「アドレスブックサーバ」を
使用すると、
Snow Leopard
ユーザは、サーバの接続先のディレクトリサーバにある公開された連絡
先情報を検索することもできます。ほかのコンピュータのユーザは、
CardDAV
オープンスタンダードに
対応する他社製アプリケーションを使用して、サーバのアドレスブックにアクセスすることができます。
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第
1
章
Mac OS X Server
の紹介
メールサーバ