提供する基本的なサービスを決定する
Mac OS X Server
の初期設定中に、サーバが初期状態でユーザに提供する基本的なサービスを選択
できます(アドレスブック、
iCal
、ファイル共有、
iChat
、メール、
Web
)。提供するサービスの決定に
ついて詳しくは、以下の
6
つのトピックを参照してください。
サーバの初期設定中に、手動で構成すること、ディレクトリサーバに接続しないこと、および
Open
Directory
のマスターを作成しないことを選択した場合は、初期設定後にほかのサービスと一緒に基
本的なサービスを構成します。
初期設定後に構成できるサービスについて詳しくは、
44
ページの「追加のサービスを提供する」を参
照してください。
アドレスブック・サービスの概要
Mac OS X Server
のアドレスブック・サービスである「アドレスブックサーバ」を使用すると、ユー
ザは
LDAP
に関連するスキーマの制限やセキュリティの問題を考慮せずに、複数のコンピュータにま
たがるサーバベースのアドレスブックで連絡先情報を検索することができます。
Snow Leopard
搭載
の
Mac
で「アドレスブック」アプリケーションを使用することで、ユーザはサーバベースのアドレス
ブックで連絡先情報を表示したり追加したりできます。「アドレスブックサーバ」を使用すると、
Snow
Leopard
ユーザは、サーバの接続先のディレクトリサーバにある公開された連絡先情報を検索するこ
ともできます。ほかのコンピュータのユーザは、
CardDAV
オープンスタンダードに対応する他社製アプ
リケーションを使用して、サーバ上のアドレスブックにアクセスできます。
41
第
2
章
Mac OS X Server
の準備をする
ファイル共有サービスの概要
Mac OS X Server
ファイル共有サービスを使用すると、グループメンバーは共有フォルダにアクセス
して、サーバ上にパーソナルファイルを保管できます。ユーザは
Macintosh
、
Windows
、または
UNIX
コンピュータから、特別なソフトウェアを使用せずに、
AFP
や
SMB
などのネイティブのファイル
プロトコルを使用して、自分のファイルや共有フォルダにアクセスできます。
Windows
ユーザには、
「マ
イネットワーク」の中に
Mac OS X Server
ファイルサーバが、
Windows
ファイルサーバと同様に表
示されます。
iCal
サービスの概要
Mac OS X Server
のカレンダーサービスである「
iCal
サーバ」を使用すると、ワークグループ、小規
模企業、大規模な組織でのカレンダーの共有、会議の予約、イベントの予定が容易になります。社員は、
互いのスケジュールの確認、会議の提案または受諾、会議室の予約、プロジェクタの使用予約などを
すばやく簡単に実行できます。「
iCal
サーバ」で、会議の議題や
To Do
項目と共に参加依頼が送信され、
その返信が集計されます。
「
iCal
サーバ」は、
Mac OS X v10.6 Snow Leopard
の「
iCal
」アプリケーション、
iPhone
の「カ
レンダー」、
Snow Leopard Server Wiki
の
Web
カレンダー、および標準
CalDAV
プロトコルをサポー
トする他社製カレンダーアプリケーションと連携します。
iChat
サービスの概要
iChat
サービスは、
Macintosh
、
Windows
、および
Linux
ユーザにインスタントメッセージ(
IM
)
機能を提供します。チームのメンバーは、部外者による機密情報の傍受を心配することなく、問題の解
決方法を話し合ったり、計画を立てたり、
URL
を交換したり、ファイルを転送したりできます。インス
タント・メッセージング・サービスを使用すると、ユーザ間でテキストメッセージを交換できます。また、
このサービスは、オーディオ、ビデオ、および多方向のオーディオとビデオによるセッションのためのユー
ザ間の直接接続を容易にします。
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第
2
章
Mac OS X Server
の準備をする
iChat
サービスは、
Mac OS X
の「
iChat
」アプリケーション、「
トーク」や、
Jabber
と呼
ばれる
XMPP
プロトコルを使用するほかのインスタント・メッセージング・ソフトウェアにも対応してい
ます。
メールサービスの概要
メールサービスでユーザは、任意のメールアプリケーションを使用して、ローカルネットワークとインター
ネットでメールを送受信できます。メールサービスには、迷惑メールやウイルスからユーザを保護するフィ
ルタが用意されています。メールサービスは、
Mac OS X
の「
」アプリケーション、
iPhone
の「メー
ル」や、標準の
IMAP
、
POP
、および
SMTP
メールプロトコルを使用するほかの一般的なメールアプリケー
ションにも対応しています。
Web
サービスの概要
Web
サービスは、
Wiki
、ブログ、
Web
カレンダー、メールへの
Web
アクセス、およびカスタム
Web
サイトを提供できます。
Web
サービスが有効な場合は、サーバ上にユーザアカウントがあるすべてのユーザに「マイ
ページ」
という便利な
Wiki
ポータルが提供され、ここで
Wiki
やブログの表示と作成、
Web
カレンダーの使用、
Wiki
のアップデートの追跡、
Web
メールへのアクセスなどを行えます。
すべてのユーザが、簡単に
Wiki
を作成し、
Wiki
コンテンツの表示、検索、および編集を許可するユー
ザを制御することができます。付属のテンプレートを使用したり、独自のテンプレートを作成したりして、
マークアップコードや特殊な構文の知識がなくても無理なくコンテンツの追加、削除、編集、および書
式設定を実行できます。
2
、
3
回クリックするか、ドラッグ&ドロップを行うだけで、ファイルやイメージ
の添付、
Podcast
の公開、キーワードの割り当て、ほかの
Wiki
ページまたは
Web
サイトへのリンク
を実行できます。また、
Wiki
の変更履歴全体を表示したり、ページを以前のバージョンに戻したりする
こともできます。
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第
2
章
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Web
カレンダーでは、任意の
Web
ブラウザを使って予定や会議、その他のイベントを追跡できます。
ユーザはイベントへの参加依頼を送受信できます。イベントへの参加を依頼するとき、ユーザは各参
加者の空き時間状況をタイムラインで確認できます。各ユーザの「マイページ」ポータルには個人用
Web
カレンダーが含まれています。また、各
Wiki
にもその
Wiki
にアクセス権があるすべてのユーザ
が使用できるカレンダーがあります。ユーザは、自分の個人用
Web
カレンダーと、アクセス権を持つ
Wiki
グループカレンダーに、複数のカレンダーを作成できます。
Snow Leopard
を使用しているユー
ザは、「
iCal
」アプリケーションを使用して
Web
カレンダーにあるイベントを表示、変更、および作成
することもできます。
ブログを使用すると、技術者以外のユーザでも、プロジェクト、自分が作業中のファイル、ピクチャ、
Podcast
の最新情報をほかの社員に提供できます。一連のプロフェッショナルな内蔵テンプレートを使っ
て、ドラッグ・アンド・ドロップだけで簡単に、ユーザは自分のブログを公開できます。
Web
メールを使用すると、ユーザはインターネットに接続している場所ならどこでも
Web
ブラウザを
使用してメールを送受信できます。ユーザのコンピュータ上で
Mac OS X
の「
」またはほかのメー
ルアプリケーションを使用しているかのように、すべてのメールにアクセスできます。
Web
サービスを使用すると、
Web
サイト開発ソフトウェアを使って作成した(または作成してもらった)
カスタム
Web
サイトを公開することもできます。各
Web
へのアクセスを特定のグループに制限したり、
Web
サイトの一部を特定のグループに制限したりできます。また、
Web
サイトの
IP
アドレス、アクセ
スポート、および
Web
サイトファイルが保存されるサーバ上の場所を指定することもできます。カスタ
ム
Web
サイトは仮想ホストとも呼ばれます。
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