メールサービスを管理する
「
」パネルを使用して、メールサービスを有効または無効にしたり、送信メール用のリレーサーバ
を指定したり、迷惑メールやウイルスのフィルタリングを調整したりします。
メールサービスについて
メールサービスでユーザは、任意のメールアプリケーションを使用して、ローカルネットワークとインター
ネットでメールを送受信できます。メールサービスには、迷惑メールやウイルスからユーザを保護するフィ
ルタが用意されています。
サーバ上にユーザアカウントを持つすべてのユーザに、メールアドレスが与えられます。
Mac OS X
v10.6 Snow Leopard
を搭載したコンピュータでは、サーバのメールサービスを使用するように「
」
アプリケーションを自動設定することができます。
103
ページの「ユーザの
Mac
を自動的に設定する」
を参照してください。
メールサービスは、
iPhone
の「メール」や標準のメールプロトコル(
IMAP
、
POP
、
SMTP
)を使用
するその他の一般的なメールアプリケーションにも対応しています。
133
第
9
章
サービスをカスタマイズする
インターネット上のメールサービスにアクセスできるようにするときに、ケーブル・ルーター、
DSL
ルー
ターなどのネットワークルーターがある場合は、そのルーターのポート転送(ポートマッピング)をメー
ルサービス用に構成する必要があります。詳しくは、
34
ページの「小規模なネットワークを保護する」
を参照してください。
ローカルネットワーク外部にあるメールサービスにアクセスできるようにする場合で、ローカルネットワー
クに独立したファイアウォールがある場合は、ファイアウォールでメールサービスが使用するポートを
開放するようにファイアウォール管理者に依頼してください。ポートのリストについては、
175
ページの
「サービスとポート」を参照してください。
メール・リレー・サーバを指定する
メールサービスでは、送信メールをほかのサーバに中継させることができ、このリレーサーバによりメー
ルが宛先に転送されます。
商用インターネット・サービス・プロバイダ(
ISP
)を使用している場合は、
ISP
の規定により、すべ
Â
ての送信メールが指定サーバでリレーされる場合があります。
インターネットサービスが組織により提供されている場合は、サーバがファイアウォール経由で送信
Â
メールを配信するために、リレーサーバの使用が必要である場合があります。この場合、ファイア
ウォールを経由したメールのリレー用のサーバは、組織が指定します。
ISP
や組織の
DNS
サービスがサーバ(または
AirMac
ベースステーションやその他のルーター)
Â
のパブリック
IP
アドレスからサーバの
DNS
名への解決(「逆引き参照」と呼ばれます)ができない
場合は、リレーサーバを使用する必要があります。
重要:
リレーサーバは、
ISP
または組織で必要である場合にのみ使用してください。許可がないのに別
のサーバを介してメールをリレーさせると、サーバがメールサービスを悪用しているように見える可能
性があります。
134
第
9
章
サービスをカスタマイズする
別のサーバを介して送信メールをリレーするには:
1
「サーバ環境設定」の「
」パネルで、「
ISP
を経由して送信メールをリレー」を選択します。
このオプションがすでに選択されている場合は、その隣の「編集」ボタンをクリックします。
リレーサーバ接続の詳細を入力するためのダイアログが表示されます。
2
ISP
または組織から提供されたリレーサーバの
DNS
名または
IP
アドレスを入力します。
3
ISP
または組織で、メール送信前にサーバによる認証も要求する場合は、「
SMTP
リレー認証を有効に
する」を選択し、
ISP
または組織から提供されたユーザ名とパスワードを入力します。
ブラックリストに記載されている送信者からのメールを拒否する
サーバのメールサービスは、
DNS
ブラックリスト(
DNSBL
)サーバのブラックリストにオープン
リレーと指定されているほかのメールサーバからのメールを拒否できます。メールサービスでは、
The Spamhaus Project
(
www.spamhaus.org
)により運用されている
DNSBL
サーバ
(
zen.spamhaus.org
)を使用しています。別の
DNSBL
サーバを指定することもできます。
DNSBL
サーバは、
RBL
(リアルタイムブラックリスト)サーバまたはブラックホールサーバとも呼ばれます。
ブラックリストに記載された送信者からの迷惑メールの拒否は、必ずしも正しく行われるとは限りません。
正しく設定されていないメールサーバからの有効なメールが拒否される場合もあります。
メールサービスで使用する
DNSBL
サーバを指定するには:
「サーバ環境設定」の「
」パネルで、
「ブラックリストにあるサーバからのメールを拒否」を選択し、
m
このオプションの隣にある「編集」ボタンをクリックしてから、
DNSBL
サーバのアドレスを入力します。
135
第
9
章
サービスをカスタマイズする
受信迷惑メールおよびウイルスをスキャンする
メールサービスで、受信メッセージに含まれる迷惑メールやウイルスをスキャンできます。
メールサービスで迷惑メールやウイルスをスキャンするには:
1
「サーバ環境設定」の「
」パネルで、
「迷惑メールとウイルスのフィルタを有効にする」を選択します。
2
つまみを調整して、受信メッセージが迷惑メールであることを示すフィルタの許容度を設定します。
「強」:
迷惑メールフィルタで、迷惑メールである兆候がほとんど許容されません。
「中」:
迷惑メールフィルタで、迷惑メールである兆候がある程度許容されます。
「弱」:
迷惑メールフィルタでは、迷惑メールの兆候が多く含まれる場合にのみ、受信メッセージに迷惑
メールのマークを付けます。
Mac OS X Server
では、
SpamAssassin
(
spamassassin.apache.org
)を使用してメッセージのテ
キストを分析し、迷惑メールである確率を評価します。各メッセージは分析されて、単語の使用頻度の
統計が保存されます。迷惑メールに含まれる単語を多く含むメールメッセージは、迷惑メールである確
率がより高いと評価されます。迷惑メールである可能性のあるメッセージには、「
***JUNK MAIL***
」
というマークが付けられて配信されます。受信者は、メッセージが実際に迷惑メールであるかどうかを
判断し、その結果に基づいてメールを処理します。
Mac OS X Server
では、
ClamAV
(
www.clamav.net
)を使用してメールメッセージをスキャンし、
ウイルスを検出します。ウイルスが含まれていると疑われるメッセージは配信されませんが、サーバの
「
/var/virusmails/
」フォルダに保存され、「サーバ環境設定」の「情報」パネルで警告メッセージ用
に指定されたメールアドレスに通知が送信されます。サーバでは、インターネット経由で自動的にウイ
ルス定義が毎日アップデートされ、「
/var/virusmails/
」フォルダにあるメールは定期的に削除され
ます。
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第
9
章
サービスをカスタマイズする
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